20世紀以降、石油から様々な合成のものが産生されるようになったと言われています。周りを見渡しても合成のもので溢れていますね。
生活は便利になりましたが、その一方20世紀も後半になると、化学物質によるアレルギーなども増加しています。そのような中で、食品や化粧品・健康法などは、再び自然のものが見直されるようになってきています。
精油が主役のアロマセラピーの世界において、ほとんど処分されていた「芳香蒸留水」が、第二のアロマセラピーとして再度注目されるようになってきています。
ここのところ日本でも、セラピストさんの間で流行ってきている蒸留という技術。
ハーブなどの植物を水蒸気に当て、気化させてその後冷やします。すると脂溶性と水溶性の2層の液体ができます。そのうちの脂溶性の部分は精油で、水溶性の部分の「香りの水」をハーブウォーターや芳香蒸留水と言います。
精油の副産物としての扱いでしかなかった芳香蒸留水ですが、アロマセラピーの歴史を紐解くと、じつは精油よりも芳香蒸留水の歴史の方がはるかに長く、今はその有効性が再認識され始めています。
芳香蒸留水は、三千年も前から生活に密着した形で人々に使用されてきましたが、日本で芳香蒸留水が広まったのは江戸時代と言われています。
当時のスキンケア、髪の結い方、帯の締め方、立ち居振る舞いに至るまで、女性としては知っておくべき情報やイラストが満載の本「都風俗化粧伝」では、野バラの花を、蘭引きという蒸留器で蒸留し、【花の露】とよび、愛用されていた事が、記載されています。
蘭引きは、古くからお酒や香料などを蒸留するために使われていた蒸留器なのですが、蘭引きを使って一般女性の多くは、各家庭で蒸留し、化粧水を手作りしていました。
江戸時代は、ナチュラルメイクが流行しはじめた時代とも言われています。薄化粧のため、素肌の美しさを引き出すことに関心がうまれました。そのような中で、芳香蒸留水は化粧の下地として使うと素肌がきれいに整う、また化粧のノリがよくなるとして注目されたようです。
現代の日本では、自宅のキッチンで使える家庭用の蒸留器なども手に入り、アロマセラピーやハーブを楽しむ方法の一つとして「蒸留」という文化が、広がりを見せてきているように思います。
忙しい現代、ストレス社会と言われておりますが、香りの癒し効果はとても注目されていますね。
なかでもキッチン蒸留は、自分で蒸留した安心できる「香り」を生活に取り入れられる方法です。美容や健康に芳香蒸留水を役立てみてはいかがでしょう。
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河内あつ子 (火:牡羊座)
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